築炉だけでなく
様々な技術を駆使する仕事
築炉だけでなく様々な技術を駆使する仕事
私は築炉工として働いて20年以上になります。
築炉工の仕事の基本は耐火レンガの積上げです。
そのほかに、不定形耐火物を型枠に流し込んで炉をつくるときには、自分たちで足場を組んだり型枠を製作したりします。溶接や溶断の技術も身に付きます。
また、築炉工は新しく炉をつくるだけでなく、メンテナンスとして耐火物を再施工することも多い仕事です。その場合、解体作業も自分たちで行います。
どのような炉でも、高温で稼働すれば徐々に耐火物が劣化するので、必ずメンテナンスが必要です。メンテナンスでは、設計図に基づいて再施工します。現場作業は建物の建築工事のように見えるかもしれません。
この仕事は長く続ければ続けるほど、奥深さがわかってきます。今後も、築炉技術を磨き続け、様々な知識を学んでいきたいと思っています。
新しい仲間には細かい仕事から
丁寧に教えています
新しい仲間には細かい仕事から
丁寧に教えています
入社したばかりの社員が築炉を覚えるために最適なのが、手元作業と呼ばれる仕事です。
具体的には、築炉に必要な道具をそろえたり、道具の手入れをしたりすることによって現場で一緒に働く仲間を手助けする作業です。いずれも工事を進めるために欠かせない大切な仕事なので、やりがいを感じることができるはずです。同時に、道具の名称や使い道などを基本から覚えられるため、自分の成長にもつながります。
手元作業で基本を身に付けた人には、耐火レンガの切り方や積み方など、さらに幅広い仕事を丁寧に教え、技術をしっかりと伝承しています。
「困った」を工夫で乗り越える面白さ
「困った」を工夫で乗り越える面白さ
ものづくりに夢中になれる人には、築炉の仕事が向いています。
私は1つのことに集中して手を動かすことが好きで、せっかくつくるなら綺麗につくりたいと意欲がわくタイプなので、築炉にやりがいを感じます。
また、私は海外で築炉工事を行ったこともあり、日本とは違う面白さを発見しました。というのも、海外では日本ほど道具がそろっていないなど多少の不便があるのですが、そういう状況を工夫によって克服する楽しさがあるのです。
例えば、型枠の合板を買うため遠くの街へ行く時間がもったいないので、パレットを解体した木で代用した経験があります。海外ではもちろん、現地の方たちとの交流も楽しみの1つですね。